会長コメント
米国の輸入自動車・同部品に対する通商拡大法232条調査への大統領判断について
一般社団法人 日本自動車工業会
会長 豊田 章男
トランプ大統領が、輸入自動車及び同部品が国家安全保障に対する脅威であると表明された事を大変残念に思います。また、日系自動車メーカーの長年に亘る米国での投資と雇用への貢献が歓迎されないかのようなメッセージには、日本の自動車産業として大変驚いています。
我々の会員企業は、お客様に最適な製品を提供することを第一に考え、全米28州に24か所の生産拠点、45か所のR&D拠点、39か所の物流拠点を持ち、累計約510億ドルを米国に投資してきました。リーマンショックの際にも雇用維持に努め、現在93,000人超の直接雇用を創出し、経済波及効果も含めた雇用創出は160万人超にのぼるとの試算結果もでております。こうした日系自動車メーカーの長年に亘る米国での投資と雇用創出は、米国企業市民としての現地への貢献とコミットメントを示すものにほかなりません。日本の自動車産業として輸入自動車・部品ならびに我々の事業活動が国家安全保障上の脅威になることはないと確信しております。
あらゆる貿易制限的措置は、米国のお客様に大きな不利益をもたらすことに加え、米国生産車の国際競争力低下、企業による米国への投資意欲の抑制など、米国自動車産業と経済への深刻な打撃を与えるものです。我々は、国際ルールに基づく自由で公平な貿易・競争環境こそが、米国自動車産業の競争力の源泉であり、米国のお客様の利益と米国経済の持続的成長につながると考えます。
トランプ大統領に、今後も米国での雇用創出や経済発展への貢献を望む我々の想いをご理解いただき、日米両政府間協議が、両国の自動車産業や経済の発展につながる結果となることを、強く願っております。
以上