自工会リリース


使用済み自動車の処理に関する自動車メーカーの共通認識

去る、3月10、11両日、東京にて開催された「1998年国際自動車リサイクル・ワークショップ」に参加した世界の主要自動車メーカー関係者は、以下の事項について合意した。

1.使用済自動車の処理促進に関する共通認識

自動車メーカーは、地球規模での資源並びに環境保全に資するため、各国及び各地域の状況を理解、かつ配慮しつつ、経済性、現実性及び環境影響が妥当と判断される限りにおいて、使用済み自動車の適正処理促進のため、以下に掲げる目標の達成に努力する。

  • 適正な処理経路に引き渡された使用済み自動車の処理時に発生する廃棄物の最小限化と同廃棄物による環境への影響を最大限低減する。
  • 使用済み自動車の適正処理のため、他の自動車関連専門業界との連携を図りつつ、市場原理に基づいて経済的に可能なシステムの構築を図る。
  • 使用済み自動車の処理促進のため、適切な関連業界、特に他の自動車関連メーカー(部品及び材料メーカー)、流通業界、リサイクルおよび廃棄物処理業界、等との連携を確立する。
  • 使用済み自動車の処理に関する各国、各地域間の差異並びに関連する規則を尊 重する。

    2.自動車メーカーが採るべき事項

    2.1各国、各地域の特殊事情を考慮して定めた範囲内で、以下の国際的協力活動を実施する。

  • 自動車メーカーは、自動車が国際商品であることを強く認識しつつ、使用済み自動車の適正処理に関して、相互に情報交換を行う。
  • 自動車メーカーは、再使用、リサイクル、エネルギー回収等の定義並びにリサイクル性(総合的な再生)算定方式の標準化につき、率先して国際的取り組みを行う。

    2.2技術的課題の取り組みにおける相互努力
    自動車メーカーは、使用済み自動車の適正処理に関する以下の技術的課題を共通関心事項として合意する。また、相互協力の基で各々のもてる知識や専門技術を活用して貢献努力を促進すると共に、各項目につき外部の自動車専門業界との情報交換を行う。

  • 自動車リサイクルの新しいコンセプト
  • 液類の除去とそのリサイクル
  • 解体技術、同システムおよび工具等
  • シュレッダーダストの効率的利用並びにエネルギー回収を含む減容化
  • 環境負荷の評価と測定手段に関する研究

    2.3途上国支援
    モータリゼーション発展過程の途上国に対し、自動車メーカーは使用済み自動車の 適正処理に関する経験を生かして、情報提供、技術支援等を行う。

    3.他の関係者による取り組みへの要望

    3.1自動車メーカーは、前に掲げた目的達成には自動車のライフサイクルに係わる全ての関係者がそれぞれの責任を果たすべきであると考える。

    3.2解体業者並びにシュレッダー事業者は、使用済み自動車から回収した素材の再生 を促進するために必要な工程を採用し、使用済み自動車処理作業の改善を行う。 部品並びに材料メーカーは、リサイクル素材の開発とその供給を行う。 また、最終保有者は、使用済み自動車を適正な処理ルートに引き渡す。 なお、それには必要となり得る全ての枠組み調整を含む。

    3.3地域毎の数値目的等に対するモニタリングには、適切な情報提供ができる関連業 界の積極的な参加が必要である。

    注)使用済み自動車の「処理」とは、回収から始まり、無害化処理、部品の再使用、 リサイクル、エネルギー回収及び最終処分に至る全工程を言う。

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