◎燃料性状
○ガソリン
・オクタン価:エンジンは、圧縮比を上げると熱効率が良くなるので、出力・燃費とも性能が向上する。オクタン価はノッキングの起こり難さを数値化したもので、数値が大きければ大きいほどノッキングが起こり難くなる。
・硫黄分:数値が大きいと、排出ガスを浄化する触媒に多くの硫黄が付着し触媒の性能を低下させる。
・ベンゼン :ベンゼン含有量が多いと、それに比例し排出ガス(HC)が悪化する。
・蒸気圧 :ガソリンの揮発性を示す指標の一つで、蒸気圧が高すぎると蒸気ガスの増加に加え、アイドリング不安定や加速不良等の原因となる。
・留出温度:留出温度が高いと、適正な混合気が形成されず、始動性不良や運転性不良を起こす。低いと冬場には気化器の氷結が発生し運転性不良となる。
○ディーゼル
・セタン指数:ディーゼル燃料の着火のし易さを示す指標で、排出ガス、燃費、出力、騒音、始動性等、殆どのエンジン性能と関係している。
・密度 :発熱量と密接な関係にあり、密度が高いと場合には黒煙、排出ガスが増大し、さらに排出ガス温度・燃焼圧力の上昇によって、燃焼室や排気系部品の耐久性を低下させる。逆に低い場合には、出力の低下や燃費の悪化を招く。
・硫黄分 :硫黄分が多いと、排出ガス中の粒子状物質(PM)を増加させ、酸化触媒の寿命を低下させる。
・芳香族炭化水素:含有量が異常に多くなると粒子状物質(PM)の増加や低温始動性、燃費の悪化等を招く。