■参考-1:主な燃料性状項目の提案値(自動車業界として求める燃料性状に係わる要望値)及び要望値の範囲

ガソリン(レギュラー)ディーゼル燃料性状

○ガソリン(レギュラー)
    Category1   Category2   Category3   [参考]JIS規格  
項目 単位 Min. Max. Min. Max. Min. Max. Min. Max.
オクタン価(リサーチ法)   91 91 91 89
硫黄分 ppm 1000 200 30 100
ベンゼン %v/v 5.0 2.5 1.0 5.0
リード蒸気圧(夏季用) kPa 55 70 55 70 55 70 44 78
50%留出温度 77 110 77 100 77 100 75 110

○ディーゼル
    Category1   Category2   Category3   [参考]JIS規格(2号)  
項目 単位 Min. Max. Min. Max. Min. Max. Min. Max.
セタン指数   46 50 54 45
密度 kg/m3 820 860 820 850 820 840
硫黄分 ppm 5000 300 30 500
芳香族炭化水素 %m/m 25 10
90%留出温度 340 320 350

◎燃料性状

○ガソリン

    ・オクタン価:エンジンは、圧縮比を上げると熱効率が良くなるので、出力・燃費とも性能が向上する。オクタン価はノッキングの起こり難さを数値化したもので、数値が大きければ大きいほどノッキングが起こり難くなる。

    ・硫黄分:数値が大きいと、排出ガスを浄化する触媒に多くの硫黄が付着し触媒の性能を低下させる。

    ・ベンゼン :ベンゼン含有量が多いと、それに比例し排出ガス(HC)が悪化する。

    ・蒸気圧 :ガソリンの揮発性を示す指標の一つで、蒸気圧が高すぎると蒸気ガスの増加に加え、アイドリング不安定や加速不良等の原因となる。

    ・留出温度:留出温度が高いと、適正な混合気が形成されず、始動性不良や運転性不良を起こす。低いと冬場には気化器の氷結が発生し運転性不良となる。

○ディーゼル

    ・セタン指数:ディーゼル燃料の着火のし易さを示す指標で、排出ガス、燃費、出力、騒音、始動性等、殆どのエンジン性能と関係している。

    ・密度   :発熱量と密接な関係にあり、密度が高いと場合には黒煙、排出ガスが増大し、さらに排出ガス温度・燃焼圧力の上昇によって、燃焼室や排気系部品の耐久性を低下させる。逆に低い場合には、出力の低下や燃費の悪化を招く。

    ・硫黄分 :硫黄分が多いと、排出ガス中の粒子状物質(PM)を増加させ、酸化触媒の寿命を低下させる。

    ・芳香族炭化水素:含有量が異常に多くなると粒子状物質(PM)の増加や低温始動性、燃費の悪化等を招く。

■参考−2:第3回世界燃料会議(World Fuels Conference)

燃料潤滑油業界に於いて高い知名度を持つ業界誌「HART」社主催により毎年開催され、毎回、世界の主要燃料潤滑油業界から多数出席。今回が第3回目。