平成13年4月17日
「リコールに関する自工会の取り組み」について
(社)日本自動車工業会(会長:奥田 碩)は、昨年10月に設置したリコール特別検討会の最終報告書「リコールに関する自工会の取り組みについて」を発表した。
同報告書は、リコール問題に対する社会的な信頼回復に向けた各社の諸活動をより促進するため、(1) 各社がより適正にリコール関連業務を遂行する体制等の充実に資するための「模範的な体制・仕組みのあり方」、(2)
リコールなど安全に関わる制度をお客様等に理解して頂くための「理解活動」、(3) リコール業務をより的確且つスムーズに実行するための「リコール等の市場措置の判断」について、検討した結果をとりまとめたものである。
同報告書の概要は下記の通り。
【概 要】
1.模範的な体制・仕組みのあり方
(1)基本的な考え方
- リコール業務に対する責任体制を明確にするため、「経営幹部の積極的な関与」が必要
- リコール業務を適切かつ円滑に進める為の業務チェック機能として「社内監査機能」の充実が必要
- リコール関連の体制等は、模範的な体制・仕組みとして「わかりやすく」社会に提示することが必要
(2)模範的な体制仕組み
各社は下記模範的な体制・仕組みを尊重し、社内体制の充実を図ることとしている。
- 経営幹部(代表権のある取締役或いはそれに準ずる役員、以下同じ)は、リコール関連業務の責任者(品質担当役員)の責務を定めると共に業務遂行方針を策定する。
- 経営幹部は、下記のマネージメントシステムを確立する。
- 不具合情報の受付、調査解析、判定に至る業務の一貫した進捗管理体制。
- 市場措置要否の判断に対し、独立性が確保できる関連部門のエキスパートによる審議体制。
- 業務遂行方針に基づき 実態を定期的に監査する社内監査機能。
- 経営幹部は監査結果に基づき方針等の評価見直しを図る。
2.理解活動
(1)お客様向けの理解活動
お客様にリコール等の認識を深めて頂き誤解を招かないようにするよう、お客様に安心してお使いいただくため、店頭チラシ、ホームページ、小冊子、メンテナンスノート等を通じてリコールを含む安全に関わる制度等の理解を図る。
また、消費者関連団体を通じた理解活動も努める。
(2)販売店への理解促進
お客様からの問い合せ等に対して、販社スタッフが適切な対応を図れるようにするため、販社スタッフ用マニュアルを作成し理解を深めてもらう。
また、販売店に対し、入手した不具合情報はメーカーに連絡して頂くことを再度徹底する。
3.リコール等市場措置の判断について
リコール業務をより的確且つスムーズに実行する為には、リコール等市場措置の判断がより明確化される必要がある。このため、個々の不具合事象における市場措置の判断を、過去の判断事例や諸外国での判断事例を参考にして、整理しているところであり、今後この結果を国土交通省と相談していくこととした。
以上
「リコールに関する自工会の取り組み」報告書
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