記者会見
自工会記者会見:G7やジャパンモビリティショーへの決意表明
5月18日、自工会はオンライン記者会見を実施しました。今回は正副会長全員に加え、G7サミット(主要7カ国首脳会議)が開催される広島から理事の丸本明(マツダ社長)が参加。サミット会場近隣で開催する自工会G7関連イベントでの車両・技術展示についての背景や概要が紹介されました。さらに今年10月に予定されている「ジャパンモビリティショー」(「東京モーターショー」より改称)に向けて最新の準備状況についても説明がありました。
■記者会見アーカイブ(中継録画)
■会長 豊田 章男(トヨタ自動車 代表取締役会長)
明日からG7首脳会合が広島で始まります。
ウクライナ情勢による先行きの不透明感や、核リスクへの懸念が高まる今、被爆地広島において、G7各国が世界の平和と持続的な発展に向け、議論することは大きな意義があると考えております。
「この地球に生きるすべての人の平和な暮らしを支えたい」
それは、唯一の被爆国である日本の自動車産業の根底にある想いです。78年前の惨劇からわずか4か月後、マツダはオート三輪の生産を再開し地元広島の復興に大きく貢献しました。スバルは自転車や農業機械、トヨタも鍋を生産するなど、「戦災からの復興」を目指し、みんながひとつになって必死に働いてまいりました。あれから78年、クルマは、社会と、地球とより密接につながって存在しています。
「誰ひとり取り残すことなく、世界のあらゆる人たちの暮らしを支えたい。豊かな地球を守りたい」
その想いはカーボンニュートラルの取り組みにもつながっております。日本の自動車産業は、乗用車から軽自動車・大型車・二輪車まで、フルラインナップの商品をグローバルに展開しております。世界を見ても、これだけ多様な自動車会社が揃っている国はありません。
そしてバッテリーEV、水素、ハイブリッド。技術の多様性こそが、これまで培ってきた日本の自動車産業の強みだと思っております。
「お客さまを笑顔にしたい」
すべての技術の根底には、その想いがあります。国や地域が違えば、文化も、人々の暮らしも違います。道も違えば、クルマの使い方も違います。置かれている現実は違っても、みんな、私たちのお客さまです。
それぞれの国や地域の「現実」に寄り添い、その「違い」をリスペクトし、「多様性」とともに生きていく。そのためには、多様な技術が必要です。日本の各社が独自の強みである技術を磨き、競争力を高めていくこと。そして、その技術を、必要とされる地域で、活かしていくこと。それが、日本の自動車産業の「マルチパスウェイ」だと思っております。
こうした私たちの取り組みは、G7首脳会合の現地、広島でもご紹介してまいります。様々な業界の皆様のご協力も得て多様なモビリティを展示し、「日本らしいカーボンニュートラルへの山の登り方」を提案したいと思っております。また明日は副会長全員が広島に行き、様々な技術にこめた日本の自動車産業の想いを世界中に発信してまいります。
最後になりますが、昨年8月6日に広島で行われた平和記念式典で、二人の小学6年生が「こども代表」としてメッセージを伝えてくれました。その一部をご紹介したいと思います。
「自分が優位に立ち、自分の考えを押し通すこと、それは、強さとは言えません。
本当の強さとは、違いを認め、相手を受け入れること、
思いやりの心をもち、相手を理解しようとすることです。
本当の強さをもてば、戦争は起こらないはずです。
過去に起こったことを変えることはできません。
しかし、未来は創ることができます」
カーボンニュートラルもまったく同じだと思います。
「違いを認め、相手を理解する」
その上で一刻も早く、共通の敵である「炭素」を減らすために、「みんなで協力して」「今すぐできることから」やっていくことが大切だと思います。そうすることで、「誰ひとり取り残すことなく」確実な成果につなげることができると信じております。
私たちは、これからも「未来のため、地球のために」行動し続けてまいりますので、変わらぬご支援をお願いいたします。