1999年6月15日
(辻会長)
平成11年第1四半期実質国民総生産(GDP)について
- 年率で8%に近い伸びとなった今回の発表に驚いている。数字上そのような結果となったことは喜ばしい事とは思うが、自動車の販売動向を見るとその実感はない。
雇用創出策について
- 産業競争力強化や雇用創出のために政府が種々の提案をされていることを高く評価している。
- 雇用創出については、企業としてはリストラの方向にあり、おそらく失業率はいま少し増加するのではないか。そうした中で民間企業として何が出来るかを今後考えていかなければならない。例えば、企業がそれぞれに持っている職業訓練施設を用いてパソコン教育等が出来ないものか。
自動車需要動向について
- 我々も推し量れず困っているが、中長期的に見た場合、現在需要の下がっている登録車を含め回復すると見ている。
- 現在の日本の自動車保有台数は約7400万台あるが、軽自動車の規格拡大後、その構成は小型化にシフトしている。その大きな要因は複数保有者が購入される際、登録車より軽自動車を選んでいるのではないか、或いは登録車の中でも小さい車を選んでいるのではないかと思う。買い物や短い距離の移動といったシティーユースには軽自動車を使うユーザーが増えていると言われている。
日産の経営を振り返って(辻会長が日産自動車の役員を退任されるにあたり)
- 開発能力や生産性において日産自動車は世界のレベルを少し超えていると言えよう。
一方、財務に対する考え方が甘かったことが現在の有利子負債につながった。 十年来のそうした体質が日産自動車を徐々に弱めてきたのだと思っている。
- 今回のルノーとのアライアンスではその点を何とか日産自動車が主となって改めていく必要があると思っている。その手助けを日産に赴任されるルノーの幹部に力を貸して貰いたい。そう遠くない将来にルノーの株を日産自動車が持ち、お互いにアライアンスだと感じたいと思う。
以 上
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