自工会リリース

2001年12月20日

(奥田会長)

本年を振り返って

  • 国内需要は、前半はまあまあの成績だったが、後半はITバブル崩壊等による米経済悪化の影響が日本にも波及してきたため10月あたりから前年割れが出てきており、新車を出した割には需要喚起が出来ず、残念。

中国特別関税措置について

  • 政府に下駄を預けており、政府の折衝を見ているしかない。正直に言って手も足も出ない。
  • 単に完成車だけということでは決して損害の金額は大きくないが、日本の自動車業界が中国と行っている国産化の仕事に相当影響があるだろうから、上手く政府間の話し合いで処理していただきたい。
  • もし悪い局面に突入した場合は、民間にもパイプがないわけではないので、政府のお手伝いをすることはやぶさかではない。

中国、東南アジアからの自動車の逆輸入について

  • かつて日本の鉄鋼業界が台湾、中国、韓国に技術移転した際、必ずいつかブーメラン効果が出て日本経済や日本の鉄鋼業界が困ることになるだろうと指摘された。それが今現実のものとなっている。
  • 自動車も相当の年数をかけて鉄鋼と同じような問題が起こることを予期し、対策を講じるべき。

国内生産能力について

  • 国内生産1000万台を死守するためには、日本はITを駆使し新技術を開発することで対抗する以外方法はない。
  • 今現在のオペレーションを続けていれば1000万台程度を死守できるし、悪い状況になれば個人的にはワークシェアリングなどで雇用の維持を図ることになるだろうと思う。

自動車関係税制について

  • 第1に自動車は大変高い税金がかけられている。第2に自動車の税金は種類が多いので簡素化すべき。
  • 自動車重量税をどこまで道路関係事業に使うのか、使わないのか、税制改正時に慎重な見直しが行われるものと期待している。
  • 自動車重量税が自動車以外のものに使われることについては、我々は反対。

米国自動車市場について

  • 10月の急増分は結果的に明年以降の前倒しとなり、明年は1500万台プラスマイナス50万台程度を見込んでいる。

円安について

  • 日本の自動車業界はまだ多分に輸出依存体質なので、円安は利益面でのプラス効果があり歓迎する。ただ、日本全体ではデフレ等難しい経済的問題もあり、一概に円安がいいか悪いかは言えない。

2002年需要見通しについて

  • 来年の経済成長率はゼロ%と予測されており、我々の需要見通しの数字はほとんど横這いなので、全体の経済成長と歩調を合わせた数字になっているのではないか。
  • 景気は、米経済が良くならないと日本にも波及してこないだろうから、前半よりも後半が良いというパターンになるだろう。

来年度予算(財務省原案)について

  • まだ具体的な数字を聞いていないのでノーコメント。
  • ただ、ここ2年くらいは経済の調整期間として緊縮財政を続けていかなければならないだろう。

海外の自工会との関係について

  • 日本の自工会においては、これからも日本GMのような入会の動きがでてくるだろうが、条件に合えば入会を拒否する理由はない。
  • 会員資格については、来春には日米欧3つの自工会で話をして、何らかの解決策を出すかもっと前進をするよう努力したい。

以上


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