一人ひとりが交通安全の主役
交通事故を防ぐためには、ドライバーはもちろん、クルマに乗るすべての人、歩行者、オートバイや自転車に乗る人など、クルマ社会で生きる一人ひとりが安全について考え、ルールを守って正しく行動することが何よりも大切です。また、安全性が高いクルマの開発や、事故が起きにくい安全な道や設備をつくることも、たいへん重要です。
交通事故は「人とクルマと道路環境」という3つの要素が、さまざまに組み合わさって起きるといわれています。もう少しくわしく説明すると、[1]クルマを運転する人や歩行者の意識や行動、[2]クルマそのものの特性や構造、[3]道路の状態や自然条件などが、事故の原因となります。人がどんなに安全な運転をしていても、クルマと道路が原因で事故が起きてしまう場合もあるのです。ですから、この3つの要素全体について、しっかりとした取り組みを行う必要があります。
自動車業界では、より安全で快適なクルマ社会の実現に向けて、クルマそのものが事故を防ぐような技術を研究し、開発を進めています。現在ではいろいろな技術が生まれ、大きな効果を上げています。人や道路環境についても、交通安全を推進する機関や団体、関係省庁と協力し合い、いろいろな取り組みを行っています。また、起きてしまった事故の原因を調査したり分析したりすることも、事故を減らすことに役立つので、その支援にも力を注いでいます。
みんなが気をつけると、防げる事故があります。
スライドドアなどで、指をはさまないよう注意しましょう。
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後部座席でも忘れずにシートベルトをしめましょう。事故にあったときに身を守ってくれます。
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交通事故を防いだり、事故が発生した場合に、その被害を少しでも軽くするには、[1]予防安全(事故を起こさないための対策)、[2]衝突時安全(事故が起きた瞬間の被害を軽くする対策)、[3]衝突後安全(事故発生後のすばやい救助体制)という3つの安全から考えて、それぞれに最適な対策を取ることが大切です。
交通安全活動をより効果的なものにするためには、事故の調査分析をしっかり行い、事故の実態を正しくつかみ、その実態に合わせた活動を進めることが大切です。そして現在、[1]人への安全教育、[2]安全性の高いクルマの開発、[3]道路環境の改善という「事故が起きる3つの要素」への対策が進んだことにより、交通事故による死者や負傷者の数は減ってきています。さらに自動車業界では事故防止のために、参加体験型の講習会を各地で開催しています。
道路環境には、道幅や視界、路面状況、交通量、信号やガードレールなどといった安全設備があります。また、大雨や大雪、台風などといった自然災害へのそなえもふくまれます。そのような道路環境の整備・改善は、事故を未然に防ぎ、事故の被害を少しでも軽くするための重要なポイントです。自動車業界は、道路環境についても調査・分析を行い、関係省庁などに対して整備・改善を進めるよう、さまざまな提言をしています。
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