バイオ燃料の品質とその使用に関するJAMAポジションステートメント
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地球温暖化防止(CO2削減)やエネルギーセキュリティーの観点から、世界的にバイオ燃料の導入が促進されています。世界的な社会課題となっていますカーボンニュートラル(CN)社会の実現に向けた活動が活発化する今日においても、その実現に向けた手段の一つとしてバイオ燃料の導入が拡大しています。
しかし、バイオ燃料の使用に当たっては不具合を起こさないよう、自動車用燃料としての品質を十分確保することが重要で、ユーザーに迷惑がかかることを回避しなければなりません。
日本自動車工業会(JAMA)は、欧米の自動車業界団体と共同で2009年3月にバイオ燃料品質に関する「WWFC(世界燃料憲章)バイオ燃料ガイドライン」を発行しました。このガイドラインでは、バイオエタノールとバイオディーゼル(FAME)の推奨燃料規格を提示するとともに、その製造・混合・流通などの過程における品質管理の重要性について言及しており、このガイドラインを元に、東南アジア地域の温暖な気候やバイオ燃料資源の特徴などを考慮した、JAMA Position Statementを同年10月に発行致しました。
その後、東南アジア各国ではバイオディーゼルの混合濃度を上げる検討が活発化したため、日本自動車研究所(JARI)での委託研究によって得られた科学的な知見を基に、「原料油、混合濃度、排出ガス要件、バイオディーゼルの混合及び、その影響の可能性に関する正しい情報発信」などJAMAが推奨する条件を満足する場合に限り、20%までのバイオディーゼルの混合使用(B20)を否定しないとするPosition Statementを2016年12月に追加し、発行致しました。
今回、日本自動車工業会がその後も継続的に行ってきたバイオディーゼルに関する調査研究によって蓄積された知見をベースに、排出ガス規制強化やCN社会実現に向けた水素化バイオディーゼルの普及拡大など、自動車を取り巻く環境の変化を鑑み、従来の2つのポジションステートメントを統合し改定致しました。改定ステートメントの骨子といたしましては、「FAME混合量は、排出ガス規制レベルに因らず、7%を最大とし、これを超える部分にはHVO等の品質が安定した水素化バイオディーゼルの利用を推奨」、「JAMAが推奨する条件を満足する場合に限り、20%までのバイオディーゼルの混合使用(B20)を否定しないとするPosition Statementを維持」、「Euro5/6排出ガス規制を導入する地域において7%を超えるFAMEを混合する場合、その混合量が7%以下に抑えられた従来軽油の併売の推奨」などとし、従来と同様、ユーザーに迷惑が掛かることの回避を最優先に、基本的に従来のポジションステートメントを踏襲した改定と致しました。
日本自動車工業会は、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みとユーザーの利便性の両立を目指し、これからもバイオ燃料品質および、その使用に関して理解活動を進めてまいります。