自動車環境情報
車種別環境情報
このコーナーは自動車を購入する際、購入候補車両の環境性能の比較を希望されるお客様に、当会会員各社が現在販売している自動車の環境情報(下記の各メーカーホームページ参照)を提供するものです。
燃費、排出ガス、騒音などの自動車の環境性能は法律によって基準が定められていますが、必ずしもすべての車両の環境性能は同じレベルではありません。 我が国における燃料消費、 CO2排出および大気汚染に占める自動車の割合は比較的大きく、少しでも環境負荷の少ない自動車を購入したいというお客様のご要望にお応えし、その比較・選択のための情報を提供いたします。 なお、環境情報以外の車両説明は各社が提供しているカタログ等をご参照下さい。
車種別環境情報は3つのパートから構成されており、各自動車メーカーは当会がとりまとめた記載要領に基づいて下記の情報を提供しています。
記載情報の説明をご覧になりたい方は、各項目をクリックして下さい。
1.基礎情報
車名、車両型式、ボデー形状、エンジン、駆動装置等、車両を特定するために必要な情報で、環境性能を表すものではありません。
用語は各社がカタログで使用しているものを使用しています。
2.環境性能情報
車両の環境性能を比較するための情報です。
自動車を使用・廃棄する上で比較的環境負荷が大きく、メーカー間・車種間で比較可能な以下の項目を取り上げています。
「参考」欄は各社の補足情報です。比較を目的とした情報ではありません。
3.環境への取り組み
環境性能を定量的に比較するためのものでありません。
また、以下の項目以外に企業としての取り組みや宣伝などを記載している場合もあります。
- リサイクルなど
なお、低公害車(電気自動車、天然ガス自動車)について記載されている場合、環境省の「低公害車ガイドブック」の内容(全部または一部)を記載しており、ガソリン車・ディーゼル車と記載情報の項目が異なる車両もあります。
ご覧になりたい自動車のメーカー名を選択しクリックして下さい。
いすゞ自動車(株) | 本田技研工業(株)(四輪) |
カワサキモータース(株) | 本田技研工業(株)(二輪) |
スズキ(株) | マツダ(株) |
(株)SUBARU | 三菱自動車工業(株) |
ダイハツ工業(株) | 三菱ふそうトラック・バス(株) |
トヨタ自動車(株) | ヤマハ発動機(株) |
日産自動車(株) | UDトラックス(株) |
日野自動車(株) |
記載情報の影響
1. 環境性能情報
(1) 燃料消費率
- 国土交通省審査値
- 乗用車、トラック・バス(軽・中量車):JC08モード
- トラック・バス(重量車):重量車モード(JE05モード+都市間走行モード)
- 都市内および高速道路の平均的走行パターンを模擬した走行モードで測定した燃費値。
- 重量車については代表的な標準車型に置き換えてシミュレーションにより換算した燃費値。
- CO2排出量:JC08モード燃費値、重量車モード燃費値から地球温暖化ガスであるCO2排出量を計算した値。
(2) 排出ガス
- 適合規制または認定レベル:国土交通省の認可を取得した規制レベルと規制値。
低排出ガス認定自動車の場合は認定レベルとその基準値。 - 新しい規制の適用に先駆けて認可を取得する車種がある。
- 排出ガス規制・低排出ガス認定には様々な試験モードがあるが代表的な試験モードで比較。
- 乗用車、トラック・バス(軽・中量車):JC08Hモード+JC08Cモード
- トラック・バス(重量車):JE05モード
- 規制値・認定レベル
(3) 騒音
- 適合規制レベル:国土交通省の認可を取得した規制レベルと加速騒音規制値。
- 規制値
(4) エアコン冷媒使用量
- 使用するフロン類等の種類、数量および環境影響度(GWP値)
- 目標値および目標年度
- 【乗用車用】
フロン法において、乗用車用エアコン冷媒は、2023年度以降、環境影響度を製造者等ごとに出荷台数で加重平均した値が目標値150を上回らないことが求められております。 - 【トラック・バス用】
フロン法において、トラック・バス用エアコン冷媒は、2029年度までに、環境影響度を製造者等ごとに出荷台数で加重平均した値が目標値150を上回らないことが求められております。
- 【乗用車用】
(5) 車室内VOC
- 自工会自主取り組み目標に対する達成状況を表示。自工会では、厚生労働省の室内濃度に対する指針値指定13物質に対し、2022年以降の新型車から新しい指針値を満足させることを自主取り組みとして定めています。(対象:国内生産、国内販売車)
- ※
- 車室内のVOC濃度は一般的に新車時からの時間経過とともに低減する傾向にあります。
また、走行中は窓開けや、エアコンの外気導入によって換気を行なうことで濃度は大幅に低減します。
物質 | 室内濃度指針値 | 主な発生源 |
---|---|---|
ホルムアルデヒド | 100μg/m3(0.08ppm) | 合板、壁紙などの接着剤 |
トルエン | 260μg/m3(0.07ppm) | 内装材、家具などの接着剤、塗料 |
キシレン | 200μg/m3(0.05ppm) | |
パラジクロロベンゼン | 240μg/m3(0.04ppm) | 衣類の防虫剤やトイレの芳香剤 |
エチルベンゼン | 3800μg/m3(0.88ppm) | 合板、家具などの接着剤、塗料 |
スチレン | 220μg/m3(0.05ppm) | 断熱材、浴室ユニット、畳心材 |
クロルピリホス | 1μg/m3(0.07ppb) 但し小児の場合は0.1μg/m3(0.007ppb) |
防蟻剤 |
フタル酸ジ-n-ブチル | 17μg/m3(1.5ppb) | 塗料、顔料、接着剤 |
テトラデカン | 330μg/m3(0.04ppm) | 灯油、塗料 |
フタル酸ジ-2-エチルヘキシル | 100μg/m3(6.3ppb) | 壁紙、床材、電線被覆 |
ダイアジノン | 0.29μg/m3(0.02ppb) | 殺虫剤 |
アセトアルデヒド | 48μg/m3(0.03ppm) | 建材、壁紙などの接着剤 |
フェノブカルブ | 33μg/m3(3.8ppb) | シロアリ駆除剤 |
(6) 環境負荷物質
- 自工会自主取取り組み目標に対する達成状況を表示。自工会では、従来から取り組んでいる鉛に加え、水銀、六価クロム、カドミウムの4物質を対象として環境負荷物質の削減を自主的に推進している。
削減物質 |
削減目標 |
各車種における記載内容 |
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鉛 ※1 |
2006年1月以降平均的乗用車の鉛使用量※2を1/10以下(96年比)とする。ただし大型商用車(バスを含む)は1/4以下とする。 |
|
水銀 |
2005年1月以降使用禁止(交通安全上必須な部品※3の極微量使用を除外する) |
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六価クロム |
2008年1月以降使用禁止 |
|
カドミウム |
2007年1月以降使用禁止 |
|
削減物質 |
削減目標 |
各車種における記載内容 |
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鉛 ※1 |
2006年1月以降、使用量は60g以下とする。(210kg車重車) | ・自工会目標達成状況 [例]自工会目標達成 (2006年1月以降使用量60g以下) ・ 鉛を使用している部品名 (代替済みの部品名を記載している場合もある) |
水銀 |
2004年10月以降使用禁止(交通安全上必須な部品※3の極微量使用を除外する) | ・自工会目標達成状況 [例]自工会目標達成(2004年10月以降使用禁止) (代替済みの部品名を記載している場合もある) |
六価クロム |
2008年1月以降使用禁止 | ・自工会目標達成状況 [例]自工会目標達成(2008年1月以降使用禁止) ・ 目標達成していない場合は用途名を記載 (代替済みの部品名や物質名を記載している場合もある) |
カドミウム |
2007年1月以降使用禁止 | ・自工会目標達成状況 [例]自工会目標達成(2007年1月以降使用禁止) ・ 目標達成していない場合は用途名を記載 (代替済みの部品名や物質名を記載している場合もある) |
2. 環境への取り組み
(1) リサイクル
- リサイクル設計、再生材使用部品、再生材料名、などを記載。
- 新型車のリサイクル可能率の定義と算出方法のガイドライン
- ISO(ISO22628)の自動車の「リサイクル可能率」等の算出方法
※リサイクルの他、企業としての取り組みや宣伝などを記載している場合がある。
新型車のリサイクル可能率の定義と算出方法のガイドライン
リサイクル可能率の定義と評価指標
●リサイクル可能率の定義
新型車が造られた時、将来その自動車が使用済みになった時に達成可能であると判断されるリサイクル率(処理・処分方法の変化等も予測して考慮する)をリサイクル可能率(推定値)と呼ぶ。
●“リサイクルできるかどうか”の評価指標
自動車構成部品が“リサイクルできるかどうか”を評価する指標として、以下の4項目を取り上げる。
- (1)解体性(構成部品を車両からはずせる)
- (2)分離性(その部品を素材単位にばらせる)
- (3)識別性(その素材の名称がわかる)
- (4)再利用性(その素材がリサイクルできる)
リサイクル可能率の算出方法
●前提条件
新型車のリサイクル率を算出する場合のリサイクル分類を以下に示す。
- (1)マテリアルリサイクル(Mrc)…原材料として使用
- (2)サーマルリサイクル(Trc)…熱エネルギーとして使用
なおリサイクル分類では、原則的にマテリアルリサイクルを優先させるものとする。
●リサイクル可能率の算出方法
下記に示す「新型車のリサイクル可能率(推定値)の評価手順」に沿って自動車の構成部品を評価し、リサイクル可能率を算出する。
リサイクル可能率の算出方法
1:新型車のリサイクル性の評価指標と判断の目安
自動車構成部品のリサイクル性の評価指標として、解体性(構成部品を車両からはずせる)、分離性(その部品を素材単位にばらせる)、識別性(その素材の名称がわかる)、再利用性(その素材がリサイクルできる)の4項目を取り上げる。なお、それぞれの評価指標でのリサイクルができるかどうかの判断の目安は下記の(1)~(4)とする。
- (1)解体性の判断の目安→標準的なエ具・設備で容易に解体できること。
- (2)分離性の判断の目安→標準的なエ具・設備で容易に分離できること。
- (3)識別性の判断の目安→目視を含めて、素材の識別が可能なこと。
- (4)再利用性の判断の目安→下記【1】【2】【3】のいずれかに該当していること。
【1】Mrc技術が確立し、すでに再利用されているもの。
●素材:金属類
●部品:バッテリー、タイヤ、触媒コンバーター
●液体:燃料、エンジンオイル
【2】Mrc技術が実証され、将来利用拡大が見込まれるもの。
●素材:ウレタンフォーム、繊維、ガラス
●素材:熱可塑性樹脂、ウレタンフォーム、織維、ガラス、EPDMゴム
●部品:PPバンパー
●液体:LLC、フロン
【3】Trc技術が実証され、将来利用拡大が見込まれるもの。
●素材:熱硬化樹脂、木材、ゴム、紙、皮等で、有害物質が発生する可能性が少ないもの。
2:構成部品の評価手順と新型車のリサイクル可能率算出方法
(1)構成部品の評価手順
(2)リサイクル可能率の算出方法
車両構成部品を上記(1)の評価手順で評価し、Mrc可能重量とTrc可能重量を求め、それらの合計を車両重量で割り算してリサイクル可能率を求める。
(乗用車の車両重量=(車両総重量-55×定員数)+スペアタイヤ+エ具)